雨の酒田を散策する

2011.10.20

酒田はかなり大きな駅だった。車輛基地があり、冬に備えた赤い除雪車や電気機関車、ディーゼルカー、貨物列車が構内のあちらこちらに停まっている。村上から羽越本線を北へ向かってきたディーゼルのローカル列車はここですべてが終点となるから、折り返しのために一息入れているためでもある。この先秋田までは酒田発の電車がローカル列車となる。ステンレスのボディーに紫色のストライプの新しい車輛であるが、正直あまり乗りたくなるような代物ではない。三つドアのロングシート車、いわゆる通勤電車然とした車両だからだ。これではのんびりした気分にはなれない。景色を見ながら弁当を食べる気にもなれない。今日はもうこの先へは進まないからいいけれど、もし秋田方面へ旅を続けるのなら、無理をしてでも特急を利用したくなる。雨がとりあえず止んだようなので、市内を散策しながら食事でもしようと街へ出た。平日のせいか、人出が極めて少ない。町全体が昼寝でもしているようだ。飲食店もなかなか見つからない。たまたま目にとまった寿司屋の入り口にランチタイムのメニューが出ていたので、ふらっと入ってみた。ここ酒田は漁港でもあるので、ネタが新鮮なのではないかと思ったからである。案の定、それは正解だった。味噌汁は白身魚でたしかとってある。あっさりしていて美味しかった。お店の人に尋ねたらホウボウという魚だとのこと。さらに茶碗蒸しとおひたしつきで1000円もしないとは、大サービスである。東京から嫁いできたというお店の若い奥様が愛想よく説明してくれた。外へ出ると、また雨が降ってきた。駅まで引き返してもよかったのだが、せっかく来だのだからと考え、日和山公園へ行ってみた。小高い丘の上にある水溜りのような池には、江戸時代に当地で活躍したと思われる千石船や木造の六角灯台が、ぽつんと記念碑のように建っている。これらが港町として酒田の往時をしのばせるモニュメントのひとつらしい。丘からは酒田港が望まれる。




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